半導体のできるまで

ブレークスルーが生まれる場所。

世界で最も高度な製造から、世界で最も高度なテクノロジーが生まれます。ここでは、最先端のテクノロジー、機器、分析が原子レベルの精度でコントロールされます。

 

未来のテクノロジーは、ファブから始まる

ファブと呼ばれる 半導体製造工場は、技術的に単純化すれば、マイクロチップを製造する施設です。しかし実際には、プラズマ、レーザー、超高精度光学、イオン加速器、最新ロボットを駆使する何千というプロセス処理装置が連動して、想像を絶するような生産工程のシンフォニーが繰り広げられているのです。それらすべてがシンクロし、何百個というマイクロチップを搭載したシリコンウェーハが何十万枚も量産れています。

ファブの中心はクリーンルームです。ウイルスの大きさの微細粒子ひとつが超小型回路を台無しにしかねないため、ここでは清潔さが重視されます。

 

150~200億ドル1

2020年までに最先端ファブにかかるコスト

 

シリコンウェーハ:すべての半導体に必要不可欠な基板

シリコンウェーハとは、純粋なシリコンで作られた極めて薄いディスクを研磨したもので、これがマイクロチップの基板となります。各々のウエハーは、およそ考え得る限り最も薄いフィルムを重ね合わせて構築され、個別のコンピュータチップに切り分けられる前に、トランジスタと超小型回路にするためにパターンが刻まれます。

シリコンは他の材料よりも電気を制御しやすい性質があるため、ウエハーは、スピードが最も重視されるマイクロチップにとって必要不可欠のものとなります。シリコンは酸素に次いで地球上で2番目に豊富な元素ですが、それでも極めて重要な物質なのです。

 

製造が実はこんなに刺激に満ちたものだと、誰かご存知でしたか?

実際にバニースーツ(防塵着)を着用し、「エアシャワー」で異物を除去してファブの中に入るまでは、マイクロチップの製造がいかに複雑なものかを想像するのは難しいでしょう。それは、世界で最も高度な(そして高価な)装置をいくつも使い、何百、何百万、時には何十億というトランジスタを、シリコンウエハー上の爪ほどの大きさのエリアに作る作業なのです。

プロセスの中の各ステップは顕微鏡レベルで行われ、時には90層もの複雑な電気回路で三次元構造を構築するのです。

 

100,000倍2

病院の手術室と較べたクリーンルームの殺菌度

完璧なチップを作る:精度を基盤として構築されるプロセス

デポジション(堆積)

半導体超小型回路を製造する最初のステップは、導体と絶縁体の膜をシリコンウエハー上に堆積することです。各々の薄さが赤血球の直径の500分の1という、非常に薄い膜を何層も堆積します。

パターン形成とエッチング

非常に複雑なトランジスタのパターンは、フォトリソグラフィーと呼ばれるプロセスを使用してウェーハ表面に転写されます。配線を通す場所は、エッチングというウェーハ表面から材料を選択的に取り除くプロセスで膜が除去されます。

材料

マイクロチップが実行する機能が何かによって、シリコンウェーハ上に堆積される材料が決められます。タングステン、アルミニウム、銅のような導体か、もしくは二酸化ケイ素、窒化ケイ素などの絶縁体などがあります。

制御と試験

クリーンルームの純度がどんなに高くても、マイクロチップを一つずつ測定、検査し、5億個のトランジスターに欠陥がないことを確認する必要があります。超小型回路の配線一本にゴミの粒子がたった一つ付いただけで、チップに大きな影響が生じます。

パッケージング

マイクロチップと回路基板との接続部分の周囲を保護する構造物を作成するステップは「パッケージング」と呼ばれます。このプロセスは、さらに小さく、よりパワフルなマイクロチップへのニーズに応じて、近年大きな進歩を遂げています。                                                   

「私が思い描いていた天国ですよ、ここは・・・ただ、天国よりちょっとロボットが多いけど。」

ジャック

1 EE Times、2012年
2 OR Today、2012年